小さな少女の背後にある巨大なスクリーンには、アイドルが濃紺のジャケットのボタンを一つずつ外していく様子が、大きく映し出されている。
観客は先ほど凄惨なまでの陵辱劇を見たばかりにもかかわらず、輝く星の下に生まれたはずの哀れな娘が、公衆の面前で脱衣を強要されている姿を固唾を飲んで見守っていた。
ジャケットを脱いで、スカートのジッパーを下ろすまではよかった。
だが、気持ちが急いているのに、手はスカートを下ろそうとはしない。
スカートを脱げば、下着を穿いてない股間やお尻がカメラで映し出されてしまうのだ。
「ミナ！　急がないと……」
急かす声は思わぬところから上がった。麻衣香だ。
もちろん彼女も拓海を救いたい気持ちで言っているのだが、一方ではファインダー越しに見る可憐な少女の裸身を早くカメラに収めたいと心の奥底で思い始めていたのだ。
それは麻衣香自身もはっきりとは気づいていなかったが。
ファサ…… 　ミナは唇を噛み締めると、思い切ってプリーツスカートを引き下ろし、掴んでいた手を放した。
チェック柄のスカートが地面に落ちると、涼やかな風が剥き出しの股間を撫で、同時に観客のため息やどよめきが耳を襲う。 　（み、見ないで……お願いだから……）

本文中より抜粋

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