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捨て犬少女に誓いのキスを
小説:愛枝直 挿絵:A.S.ヘルメス
 

 ハの字に開かれた両脚の間をくぐって鎌首を持ち上げた肉器具は、まるで茎部だけが異常に伸びた本物の男性器のような形をしている。
 淫器はずるずると喉奥に向かい口内を満たしきる。ぐちゅ、ぶぢゅりと竿がのたうち、桃色の舌を、狭い口蓋を好き勝手に嬲り回す。
 長大な陰茎は征服の歓びをひとしきり見せつけ、早くもビクビクと末期の痙攣を始めた。次の瞬間その先端からどろどろに粘り着く腐液が迸った。
「んぶぅ!? んっ、んぐ……ぅぇええっ……」
 ニコは見開いた目を白黒とさせて身悶えた。
 汚濁が口いっぱいに垂れ流される。縛められた四肢がビクンビクンと打ち震え、服地に包まれたままの乳房がたぷんと揺れる。
 疑似陰茎は射精を終えると、役目は終えたとばかりにその身をずるりと抜く。ニコは慌てて唇を閉じ、リスのように頬を膨らませて牡汁を溜め込んだ。
(こんなたくさん……飲むの、つらいよぉ▽)
 鼻息が抜けるたびに強烈な刺激臭が嗅覚を焼く。えずきそうなほど気持ち悪いのに、何故か子宮はきゅうと疼いてしまう。
 このままでいれば、いけない気持ちになってしまう。早く飲んでしまおうと、調教の行き届いた少女奴隷は喉を鳴らそうとして──ようやく自分の行動に愕然とした。
「飲めばいい。私たちにとって、精液は飲むもの」
 見透かしたように、サンゴが吊り上げられたスレイブを見上げる。ニコはぎくりと身を強張らせた。
 口に出された精液は、一滴も零さず飲み干さないといけない。変だと気付くことも出来ないほどに、スレイブのルールは心に染みついていたのだ。
 条件反射に意地だけで逆らい、舌を突き出して唾液と混じったスペルマを吐きこぼす。
 床に落ちた白濁がびちゃびちゃと下品な音を立てて水溜まりをつくる。戻しきっても粘つく汚穢は歯に舌にこびりつき、空気と混じって更に淫臭を強めた。
「はぁ……はぁ……ごひゅじん様いがいのなんて、まずいらけですっ」
「遠慮しなくてもいい」
 粘質の液体に舌を縺れさせながらも、ニコは虚勢を張る。だが、サンゴは見え見えの強がりなど歯牙にもかけず、再び肉棒触手を突き込む。
「我慢できなくなるのが、早いか遅いかだけ」
「んぶ!? ぅぐぅうぶぅうううっ!」
 
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