「綺麗だ」
いまいち気の利いた台詞が出てこない。が、俺がそう言うと、ティコは恥ずかしそうに目を伏せた。実際、彼女の裸身は美しかった。健康的に浅く焼けた肌は染み一つなく滑らかで、手を這わせるとすべすべしてなんとも言えず気持ちいい。
そのままゆっくりと身体を撫でさすり、胸や首筋に舌を這わせてみるがどうにも反応が悪い。
「あ、あのっ、これ、使ってください」
もしかして俺の愛撫が下手なのだろうか、と思い悩んでいると、ティコが枕元にあった瓶を差し出した。中にはとろりとした粘性のある液体が入っているようだった。ローションの一種だろうか。
「ありがとう」
瓶を受け取り、蓋を開けて中の液体を取り出す。手のひらに垂らすとひんやりと冷たかったが、すぐに肌に馴染み常温になる。
「脚、広げてくれる?」
こくりと頷き、おずおずと広げられたティコの股間に俺はローションを塗りつける。俺の手がそこに触れると、ティコは「ん……」と声を漏らした。
ローションを馴染ませるように、ゆっくりとスリットに沿って指を這わせる。彼女の股間を彩る茂みは薄く、スリットはほとんど丸見えの状態だった。丹念に周囲をなぞり、ローションが馴染んだところでゆっくりと指を埋めると、中は驚くほどとろとろにほぐれていた。
ローションには媚薬も含まれていたのかもしれない。塗りつけた部分はじんわりと熱を持ち、いつの間にかティコの表情もとろりと溶けていた。
「いくよ」
俺はティコの入り口に自分のものを宛がうと、彼女が頷くのを見て、一気に突き入れた。ローションのおかげか、俺の一物はほとんど抵抗なくティコの奥まで入る。
「あぁん……」
ティコが初めて気持ちよさそうに声を漏らす。俺はその声に気をよくして、彼女の薄い乳房を愛撫しながらゆっくりと抽送を繰り返す。あまり慣れていないようだったが、さすが娼婦。彼女の膣は絶妙な具合で俺のものを締め付け、快楽を与えていた。
快楽に没頭しかける頭で、俺は辛うじて本来の目的を思い出す。
「ティコ、思い浮かべてくれ。君が、今まで見てきた世界のことを……旅をして見て回ったことを。思い浮かべるだけでいい」
本文中より抜粋 抜粋文とイラストは一致しない場合があります。
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